出張タイヤ交換

出張タイヤ交換の背景 HISTORICAL BACKGROUND

出張サービスを始めた理由

タイヤ事業において、タイヤチェンジャーやエアコンプレッサー、その他の整備機器を設置する関係上、お客様のご来店による交換などのサービス提供が、本来の姿であったかもしれません。大型車両を専門とする当社も、当初はお客様をお店にお迎えする営業形態でした。創業当初山科は、京都外環状線全線供与開始もあいまって、物流集積地であり、多くの運送会社様が営業しておられました。さらには、創業の地大岩街道は、ダンプ街道ともいえるほど大型ダンプカーが行き交う道路で、タイヤを扱う当社にとって、誠に素晴らしい営業環境でした。

しかし年月の移ろいとともに、物流集積は京都府南部地域の久御山町、八幡市に移転し、大岩街道のダンプ車両も往時からは考えられないほど少なくなってきました。また、昨今の運転手様の人員不足と労働時間の制限により、お客様に、タイヤメンテナンスの為にご来店いただける事が、非常に難しくなってきました。

お客様の集まる場所が、当社から離れていくという事は、そのままお客様が他社へ離れる事と同じです。
私たちは考えました。どうすればこれまでと同じようにお取引をいただけるのか。日々悶々と過ごす中でハッと気付く事がありました。ご来店いただけないならこちらから出向けばよいと。タイヤの出張販売、出張サービスをご来店と同じ品質で行う事ができれば問題ないのではないか。遠いところにご来店していただこうとするから無理がある。こちらからお客様に近づく事でお取引いただける解決策になると。

出張タイヤ交換の課題

タイヤの整備はお店で行うものと誰もが思いこんでいた頃です。出前という出張サービスは、パンクやタイヤバースト対応などのレスキュー作業に限られていました。タイヤをお客様のご指定する場所で交換する事など誰も考えもしませんでした。当然タイヤサービスカーも、現在のようにタイヤチェンジャー等整備機器が搭載されているわけもなく、大きな発動発電機とエアコンプレッサーだけが荷台に載っている、タイヤを車両から脱着ができる程度の設備でした。故障したタイヤをスペアタイヤと付替える事、これが出張サービスの精いっぱいだったのです。

お客様の駐車場でタイヤ交換作業ができるようにタイヤチェンジャーを搭載したサービスカーがあればなぁという想いが結実し、平成16年2月にタイヤ取替作業用自動車として特許を取得できました。タイヤ屋が自分たちの使い勝手が良いように改良を重ねて練り上げていきました。しかしタイヤチェンジャーを搭載し、発動発電機を搭載すれば荷室がいっぱいになり、交換用のタイヤが積めません。1台出張作業する為に、タイヤサービスカーと交換用タイヤを積み込んだ軽トラックの2台で向かう非効率は残った課題でした。

タイヤサービスカーの基幹技術「True-G発電装置」の発明

発動発電機を搭載せずに電力を得る。誰もが思いつかない、考えもしない事を私たちは解決しました。
平成18年、現在私たちの使うタイヤサービスカーの基幹技術、True-G発電装置が完成します。車両の走行用エンジンに直結された発電機で電力を得るため、発電機を回す発動機が不要となり、結果として大幅な軽量化と積載面積の拡大に成功しました。

「ひとつの現場に1台1名で交換用タイヤを積み込んで出張する。」

三輪タイヤの出張サービスの基本スタンスです。さらにエアコンプレッサーとエアタンクも車体床下左右に振り分け荷室上はすべて自由に使える設計とし、タイヤ整備機器と交換用タイヤを最大に搭載できる仕様の完成です。

出張サービスでご来店の作業と同一の品質が提供できる事により、お取引が増えていきます。特にトラックなどが駐車場に戻った際に作業をすると、運転手様の乗務時間を削ることなくメンテナスが可能です。タイミングを合わせれば、荷物の積み下ろしの間にメンテナンスが可能です。そのような利便性から、これまでのお客様以外の、新規のお取引先からも声が掛かるようになりました。このうわさを聞きつけて、タイヤサービスカーを作って欲しいというご注文が入るようになり、特許取得の発電装置と相まって、特殊車両の生産をタイヤ屋が展開している事となっています。
当社の発電システム「True-G」は、リチウムイオンバッテリーと組合せ、経済産業省次世代自動車振興センターの電気自動車急速充電設備(車)に認定されてます。